何にもない一日は…

2003年6月22日
♪何にも無い、何にも無い、まったく何にも無い〜
生まれた、生まれた、何が生まれたぁ?
星が一つゥ、暗い宇宙にィ、生まれたぁ
星には夜があり、そして朝が訪れる〜
何にも無い大地に
ただ風が吹いてた〜 吹いてたぁ〜♪

 ふと、こんな歌を思い出した。
確か、アニメ『はじめ人間ギャートルズ』のエンディング曲だったと記憶している。
ギャグアニメのテーマ曲にしてはかなり深い内容だ。
幼い頃の僕は歌詞の意味もその奥深さも理解できぬまま、ただなんとなくカッコ良い曲だなぁと思い、よく口ずさんでいた。
 そう言えば『元祖天才バカボン』のエンディングも赤塚ギャグアニメらしからぬ哀愁漂う曲だった。

 …おっと、のっけから脱線してしまった。
ところで「のっけから」の“のっけ”って何なんだろう?
…なんか昔、雑学本か何かで大阪弁だとか読んだような記憶もあるが、その記憶もかなりあやふやだし、それに大阪弁で“のっけ”なんて聞いたことが無い。
誰か語源を知っている人が居たら教えて頂きたいものだ。

 …などと、またまた脱線してしまった。
こんなことではいかんがな!
「いかんがな」と言えば、
むかし東京でお世話になった人にイカンガー岩崎さんという人が居た。
 岩崎隆志という本名で、関東一の暴走族と恐れられた『ブラック・エンペラー』の総長だった人だ。
そう言えば最近よくバラエティ番組に出るようになった俳優・宇梶剛士さんもむかしブラック・エンペラーの総長だったと聞いたが岩崎さんの後任くらいの年頃になるのかな?
 彼は「イカンガー岩崎」のペンネームで自らの不良体験を元に「ツッパリ」をテーマにした本を出版し、少年サンデーで漫画の原作などもやっていた。
また、彼の場合きっかけはあくまでも“ケンカ道”だが、無類の格闘技好きで、雑誌『格闘技通信』(通称『格通』)に数年間自分のコーナーを持っていたほどだった。
 僕も一度彼の原稿を、水道橋駅近くのベースボールマガジン社『格通』編集部に届けに行ったことがあったのを今ごろ思い出した。(いや〜、このことはすっかり忘れていたなぁ。月日の経つのは早いものだ。うんうん…)
 元・暴走族総長とは言え、いや、だからこそかもしれないが、普段は大変温厚な人格で、ニコッと笑ったときの目元には生来の人の良さがくっきりと現れる「気の良い、頼れるアンチャン」的な人だった。

 僕が当時在籍していた会社(T社)が彼の企画・原案によるVP(ビデオ・パッケージ)を製作したのが縁で、文筆やメディアへ露出する際にはT社所属ということでマネジメント業務なども請け負っていようだった。
当時僕はT社が制作協力していたテレビ東京の情報番組の手伝いをしながら、普段は、一日中ワープロの前でドキュメンタリー番組やVPの企画書を書いていたので、比較的会社に居る時間が多く、企画書自体もあまり締め切りに追われたりすることもなかったので、社内の雑用や他の仕事の取材を頼まれることも頻繁だった。
 T社は港区の飯倉片町交差点ほど近くにあったので、彼に六本木の地下鉄駅から通路で繋がっていたビル地下街のラーメン店でご馳走になったことがあった。
生来福岡のトンコツラーメン以外はあまり口にしたことなく、東京の醤油ラーメンは口に合わないと信じていた僕が、本当に美味しいと思った二軒目の店だった。
ちなみに一軒目は、その数年前に大学の友人に連れて行かれた環八と甲州街道の交わる中の橋交差点近くのラーメン店だった。
 岩崎氏に連れて行かれたその店のラーメンは、サイコロステーキ状の肉が上に乗っていて、醤油味のスープに肉の旨みがミックスされていたのがかなり自分の中ではセンセーショナルだった。
現在でもあの店とあのラーメンはあの場所に残っているのだろうかと思い出すことがあり、その度に彼のことも思い出してしまう。
 岩崎さん、元気にされているだろうか?

 …などと、おもっきし脱線しまくら千代子で申し訳ない。
 実は、今日は(いや、「今日も」と言うべきか?)別段取り立ててなにも書くことがないのだ。
「何を書こうか…?書くことなど何にも無いなぁ…」と思っていた結果、冒頭の歌が浮かんできたのだった。

まあ、こうやって取り留めのないことをつらつらと綴ってみるのも随想っぽくて、また趣きがあるではないか…と、他愛の無い雑記を一人で正当化しようとしている僕だった。

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