それは突然、僕を襲ってきた。
未明の4時前、見ていた夢のストーリーが突然悪夢に変わった。
…と同時に激痛が下腹部を襲い、そのあまりの苦痛に目が醒めた。
 全身に汗をびっしょりかいていた。起きてタオルを出し、身体を拭いていると猛烈な便意を催し、トイレに駆け込んだ。

 案の定、下痢だった。
この最初のトイレののち、ベッドとトイレの間の往復を7〜8回繰り返すことになった。
途中、胃腸薬を飲みながら、激痛と便意に果敢に立ち向かった。
だが一向に症状は治まらない。 

 これはマジでヤバイ!
[このまま出勤しても仕事にならない]
そう判断した僕はまだ5時過ぎという早朝にもかかわらず、枕元のケータイを取り、会社に掛けた。
 僕の予定していた現場に穴を開けてしまう訳にはいかない。代わりの隊員を都合せねばならないので、急病などで仕事が無理と判断したときは、たとえ未明でも、なるべく早く連絡しなければ会社に迷惑を掛けることになる。
 警備会社だから、会社への電話は24時間体制で誰かにかかるようになっている。
深夜は、管制の人間のうち誰かのケータイへ転送される。
今朝はNに繋がった。
重症の下痢で仕事は無理そうだと伝え、まだ通話を続けていたが、また腸の奥から突付かれるような便意に急かされて、
「あっ!またトイレっ!じゃ、そーゆーことでっ!」
通話を切り、ケータイをベッド上に放り投げてトイレに飛び込んだ。
このときがおそらく6度目くらいのトイレだった。
もういい加減、ペーパーで肛門を拭き過ぎて、その付近が痛くなってきていた。

 下痢のほうは8回目ほどのトイレで一応は治まったが、腹痛はまだしぶとく下腹部の辺りに居座っていた。
薬は飲んだから、あとはただひたすら、症状が治まってくれるのを待つしかない。
 ベットに横になって堪えているうちにいつの間にか意識は睡眠の世界に突入していた。

 何度か目覚めたりもしながら結局、夕方6時近くまで眠っていた。
6時半ごろに会社から
「身体のほうは大丈夫か?」と電話が入った。
どうにか下痢も腹痛も治まっていたようなので、明日は大丈夫だと伝えると、明日に志免町の仕事をふってくれた。

 それにしても…
 体調を崩して寝込んでしまうと、一日無駄にしてしまったようで、ものすごく勿体無い気持ちになるものだ。

 ところで、下痢の原因はいったい何だったのだろう?
昨日食したものに何か原因があったのだろうか?
まぁ、済んでしまったことだからどーでもいいのだが…

 今日は福岡ではずっと雨が降り続いていて、かなり纏まった雨量だったようだ。
 合羽を着てはいるが、雨に濡れながら仕事をするよりは、雨の影響など全くない自室で眠っていた今日の現状は、考えようによっては良かったのかも知れない。
…そう考えることにしよう。

 何でも都合の良いほうに考えようとする、楽観主義な僕の性格って、やっぱり単に能天気なだけなのだろうか?
…なーんてなことを考えたりする今日この頃だった。

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