通行する自動車のドライバーが、哀れむような視線を向けながら走り去っていく。
どしゃぶりの中で交通誘導をしていると、通り過ぎるドライバーは
「こんなどしゃぶりの中で大変そうだなぁ…」
と思ってしまうのだろう。
実際、僕も雨中、車を走らせているときに雨合羽が殆ど効果のないような状態でずぶ濡れになりながら立っている警備員を目にすると、そう思ってしまう。

 朝からの雨は天気予報によると降雨確率80パーセント。
さすがに80パーセント以上の高確率になると、さすがの晴れ男パワーも適わない。

 以前使っていた長靴が、踵のところが切れてしまい、水が入り込むようになったので、新しいのを買うまで、現在長靴を持っていない状況なので、いつものスニーカーで仕事をしていた。
それでも少しでも足の濡れを防ごうとビニールのコンビ二袋を靴下の上に履いて足首で結び、その上から靴を履いたが全く効果ナシ。靴下はすっかりじゅかじゅかになってしまった。
 昼休みに靴と靴下を脱ぎ、両足とも素足の水気をタオルで拭き取り、車の中にたまたま入れていた新聞紙の一枚分を見開き4分の1サイズにして足を包んでから靴を履いた。
 だが、午後になって仕事を再開すると、まだまだ降り続く雨にはそんな手間など徒労になってしまった。

 夕方終業し、帰る前に靴下の中の新聞紙を取り出して捨て、素足に靴を履いて帰ってきた。


 会社に着いて上の人間から、先週の木曜、北九州のD社に行ったとき、眠ってたでしょ?と聞かれた。
 日記にも書いたが、その日は半端ではないくらいヒマな現場だった。通勤時、高速道路を走っていたときから眠くて眠くて、必死に睡魔と闘いながらようやく到着したような有り様だった。
実際仕事を始めて「な…なんというヒマな現場」
呆然としてしまった。
殆ど立っているだけで、午前中などは1時間以上殆ど身体を動かしていないときもあった。
デーモン小暮閣下によって蝋人形にされてしまったかと思うくらいだった。
 なので、襲い掛かる睡魔と必死で戦い続けていたのだが、一瞬睡魔に惜敗を喫していたそのときにD社の社員に目撃されてしまったらしい。

 …で、そのたった一度の落ち度で、その現場を外されてしまった。
誰だって、ちょっと眠くなってしまうことくらいあるだろうに…。
しかもD社の人なんか、全くの現場監督で直接作業には携わっていない人も何人かいて、そういう人は、現場が稼動しているのにライトバンの中で漫画を読んでいたりケータイゲームをしていたり、時々は眠ったりしている人間もいたりする。
自分たちのことは棚に上げてよく言うよ!

 それが福岡のD社まで伝わったらしく、暫くはD社の仕事から外されることになった。
実にラッキーだ!
「えっ!?それがどうしてラッキーなんだよ?」
と思われたことでしょう(^O^)
 D社の仕事はずーっと嫌々行っていたのだった。
 仕事を始める前に毎朝欠かさずラジオ体操〜ミーティング、KYT(危険予知)と称して、黒板にいちいち細々と書かされる。しかも黒板だけではなく用紙にまで全く同じことを書くのだ。
そして仕事が終わっても終了ミーティング。
 はっきり言ってこういう面倒臭いのは苦手なのだ。
そのうえ、なんやかやと細かいことにウルサく言ってきたりして、気にくわなければいちいち文句をつけてくる。
 大きい会社は妙にきっちりしていて、どうも仕事がやり辛い。
 以前から、いっそのこと、ワザとなんかやらかして出入り禁止にしてくれたら…なんて密かに思っていたのだった。

 ラジオ体操もミーティングもないG社やI工業、日本K、日本E、K保安、FR社、K電気…そういった現場の仕事に行きたいのだが、最近それらの会社自体が仕事が少ないようだ。

 この仕事ももう7年近くになる。
 地元劇団で演劇をやっていたので、公演や稽古、大道具制作などで時間がとられるので、比較的時間が自由になるアルバイトを…と思ってこのこの仕事を始めたのだが、3年くらい前に劇団は退団したものの、仕事だけまだ続いているという状態…。

 そろそろ、どこかの会社に正社員として就職することを本気に考えなきゃヤバイんだろうなぁ…。
潮時と言うことなのかも知れない。
…とは言っても、この大不況下、就職難の転職難。
もっと年取ったらもっと難しくなるんだろうなぁ…

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