井筒監督の映画。
2003年9月23日 今日は祭日、「秋分の日」だったけど、特に何処にも行くでもなく、いつものように日がな一日、のんべんだらりとTVを見ながら過ごしてしまった。
CATVのチャンネルNECO見ていると、モノクロの『突然炎のごとく』という映画が始まり、他に見るものがなかったので何の気無しに見てしまった。
井筒和幸監督作品だそうだが、ハッキリ言って面白くない。井筒作品独特のバタ臭さが薄く、がむしゃらさみたいなものが感じられない。
少年が、少女が、中年オヤジが、我を忘れ、何かにがむしゃらになっているときの、そこから生まれる悲哀にみちたドラマを描き出すのが、僕は井筒監督の真骨頂だと思ってきたが、淡々と過ぎるアンニュイな日常に奔放に生きる少女と、彼女に振り回されるチンピラ風のフリーター青年と東京から流れてきた曰く有りげな中年男の奇妙な三角関係…なんてよくそんな題材、井筒監督が撮ったものだ。
正直言って井筒監督の分野とは違う気がするし、面白くない。
ヌーベルバーグの旗手、フランソワ・トリュフォーが撮った同名のフランス映画を意識して、あえて日本版を作ろうとしたようだが、その必要があったのか?
トリュフォーの『突然炎のごとく』は確かに名作だった。ジャンヌ・モローの魅力とも相まって、不思議に込み上げてくるような感動を覚える作品だったが、井筒作品の方はと言えば、感動の欠片もない。
「だから何なんだよ?」ってカンジだし、坂上香織さんをジャンヌ・モローに当てはめてしまったらモローに失礼でしょう?
アイドルアイドルしていたガキのころと比べると確かに存在感も出てきたし、彼女独特の淫靡でダークネスな雰囲気もそれはそれで個性としてはアリだと思うが、全てにおいて中途半端。
井筒監督が不本意にも商業主義に流されてアイドル映画『みゆき』を撮ったことがあったが、それに匹敵するくだらなさ。
3流アダルトビデオでお馴染みの男優・山本竜二氏の怪演は、妙に、竹中直人的なヘンな存在感が面白かった。後は小木茂光さんの、ワンパターンっちゃあワンパターンなんだが、あの独特の存在感は映画のアクセントとしては面白いかもしんない。
自ら「映画はエンターティナーだ」と声を大にして断言される井筒監督にしては、エンターティナー性があまり感じられなかったのが残念だった。
『ガキ帝国』『岸和田少年愚連隊』『のど自慢』みたいな、これこそ井筒和幸の本領発揮!というような映画をもっと見せてほしいものだと思う。
最近、自ら宣伝に熱入ってる『ゲロッパ!』はかなり面白そうで期待できそうだし、何より内容が「これこそ井筒ワールド」ってカンジなのが良い。
元々井筒監督は日本の監督では好きな映画監督の一人だったのだ。
ここ20年くらい、「日本映画は見ない。ハリウッド映画のほうが面白いもん」なんてホザく若い連中が多くなってきたが、ハリウッド映画より面白くないと断言できるだけ日本映画を観たのか?と問いたい。
僕は東京でTVドラマのADをしていたとき、多くの助監督や監督と仕事をしてきたから、彼らの努力を知っている。
ここ15年くらい、TVの2時間ドラマなどの演出家は殆どが映画監督だ。なかなか自分の撮りたい映画が撮れなくて、その間TVドラマで生計を立てている人も少なくない。
もっと映画監督が自由に映画を作れる環境を作ってあげてほしい。そのためにはもっともっと日本映画を見直して、日本の映画産業に活気を取り戻すことだと思う。
日本映画低迷期以後、「これではいけない」と純粋に面白い映画を作ろうと努力している映画人がたくさん居る。そういう人たちの作品をもっともっと見て欲しいと思う。
本当に面白いと思える作品にめぐり会っていないだけで、もっともっとたくさんの映画を観れば面白い作品は、日本映画の中にも意外にたくさんあるのだから、もっと自国の文化を愛してほしいと思う。
…というワケで、井筒監督、そのうち(公開中に)絶対『ゲロッパ!』観に行きます。
昔から常盤チャン好きだし…
本音としては井筒監督が酷評しまくってた『踊る大捜査線』も見てみたいんだけど…
CATVのチャンネルNECO見ていると、モノクロの『突然炎のごとく』という映画が始まり、他に見るものがなかったので何の気無しに見てしまった。
井筒和幸監督作品だそうだが、ハッキリ言って面白くない。井筒作品独特のバタ臭さが薄く、がむしゃらさみたいなものが感じられない。
少年が、少女が、中年オヤジが、我を忘れ、何かにがむしゃらになっているときの、そこから生まれる悲哀にみちたドラマを描き出すのが、僕は井筒監督の真骨頂だと思ってきたが、淡々と過ぎるアンニュイな日常に奔放に生きる少女と、彼女に振り回されるチンピラ風のフリーター青年と東京から流れてきた曰く有りげな中年男の奇妙な三角関係…なんてよくそんな題材、井筒監督が撮ったものだ。
正直言って井筒監督の分野とは違う気がするし、面白くない。
ヌーベルバーグの旗手、フランソワ・トリュフォーが撮った同名のフランス映画を意識して、あえて日本版を作ろうとしたようだが、その必要があったのか?
トリュフォーの『突然炎のごとく』は確かに名作だった。ジャンヌ・モローの魅力とも相まって、不思議に込み上げてくるような感動を覚える作品だったが、井筒作品の方はと言えば、感動の欠片もない。
「だから何なんだよ?」ってカンジだし、坂上香織さんをジャンヌ・モローに当てはめてしまったらモローに失礼でしょう?
アイドルアイドルしていたガキのころと比べると確かに存在感も出てきたし、彼女独特の淫靡でダークネスな雰囲気もそれはそれで個性としてはアリだと思うが、全てにおいて中途半端。
井筒監督が不本意にも商業主義に流されてアイドル映画『みゆき』を撮ったことがあったが、それに匹敵するくだらなさ。
3流アダルトビデオでお馴染みの男優・山本竜二氏の怪演は、妙に、竹中直人的なヘンな存在感が面白かった。後は小木茂光さんの、ワンパターンっちゃあワンパターンなんだが、あの独特の存在感は映画のアクセントとしては面白いかもしんない。
自ら「映画はエンターティナーだ」と声を大にして断言される井筒監督にしては、エンターティナー性があまり感じられなかったのが残念だった。
『ガキ帝国』『岸和田少年愚連隊』『のど自慢』みたいな、これこそ井筒和幸の本領発揮!というような映画をもっと見せてほしいものだと思う。
最近、自ら宣伝に熱入ってる『ゲロッパ!』はかなり面白そうで期待できそうだし、何より内容が「これこそ井筒ワールド」ってカンジなのが良い。
元々井筒監督は日本の監督では好きな映画監督の一人だったのだ。
ここ20年くらい、「日本映画は見ない。ハリウッド映画のほうが面白いもん」なんてホザく若い連中が多くなってきたが、ハリウッド映画より面白くないと断言できるだけ日本映画を観たのか?と問いたい。
僕は東京でTVドラマのADをしていたとき、多くの助監督や監督と仕事をしてきたから、彼らの努力を知っている。
ここ15年くらい、TVの2時間ドラマなどの演出家は殆どが映画監督だ。なかなか自分の撮りたい映画が撮れなくて、その間TVドラマで生計を立てている人も少なくない。
もっと映画監督が自由に映画を作れる環境を作ってあげてほしい。そのためにはもっともっと日本映画を見直して、日本の映画産業に活気を取り戻すことだと思う。
日本映画低迷期以後、「これではいけない」と純粋に面白い映画を作ろうと努力している映画人がたくさん居る。そういう人たちの作品をもっともっと見て欲しいと思う。
本当に面白いと思える作品にめぐり会っていないだけで、もっともっとたくさんの映画を観れば面白い作品は、日本映画の中にも意外にたくさんあるのだから、もっと自国の文化を愛してほしいと思う。
…というワケで、井筒監督、そのうち(公開中に)絶対『ゲロッパ!』観に行きます。
昔から常盤チャン好きだし…
本音としては井筒監督が酷評しまくってた『踊る大捜査線』も見てみたいんだけど…
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